※この記事には人狼専門用語が多く含まれています。適宜、用語集などを参照しながら読んでください。
※また人狼オンラインXを基準にして語っているため、他のところとは違う前提があるかも知れません。
人狼ゲームは基本的に、市民と人狼との対立でお互いを騙しながら生き残りを賭けて戦うゲームです。
市民側にも人狼側にもそれぞれ戦局を有利に進めるための役職というものが存在し、その市民側の役職に「騎士(狩人)」というのがあります。
騎士というのは選択した自分以外の人物を1人、人狼の襲撃から守ることができる役職です。
そしてこの騎士が護衛する対象を市民が誘導する行為を「護衛指示」や「護衛誘導」などと呼んだりします。
実は2年ほど前に人狼オンラインXというアプリで人狼を頻繁にやっていた時期があるのですが、その頃には所謂この「護衛誘導」という行為は利敵なのでご法度だ、という暗黙のローカルルールのようなものがありました。
しかし先日、久しぶりに当アプリで人狼をして見たところ護衛指示をしているプレイヤーがいたため
お前は人狼サイドの陣営ではないか?
と言及したところ、逆に総スカンを食らい怪しまれる結果となってしまいました。
ジェネレーションギャップを感じた瞬間だと言わざるを得ないでしょう。
さて、この護衛先を誘導する行為はメリットもデメリットも併せ持っています。
それぞれについて考察して情報の有用性や人狼から見た情報量の多寡について整理してみたいと思います。
状況にもよると思いますがどちらの選択がより正しいかが分かると思います。
護衛先を誘導することによるメリット
護衛先を誘導するメリットとしてはより多人数の意見を聞けるので、皆が生き残って欲しいと思っている人物を知ることができることです。
とは言え、役職もないただの市民に生きていて欲しいというのは、その市民がお弁当である場合以外にはまずないでしょう。
仮にいたとしても基本的には役職持ちを護衛して欲しいのが当たり前だと思います。
なので護衛誘導なんてするまでもなく、民衆の護衛して欲しいところと騎士の護衛したいところは一致するはずです。
このパターンが適応されないのは騎士が初心者である可能性がある時、すなわちメンバー内に初心者が混じっている時です。
もし初心者の人が騎士を引いていた場合、役職を護衛しないでそのまま役職持ちが噛まれるなんてこともあり得ます。
そうならないためにも、初心者が混ざっている場合には護衛先誘導によるメリットが得られます。
護衛先を誘導することによるデメリット
護衛先を誘導することによるデメリットとしては、人狼陣営も誘導先を知ることができるということです。
無論、騎士がその誘導通りに護衛するとは限りませんが、それでも人狼陣営に対して護衛先を予想するための情報を与えていることになります。
そうなった場合、市民側が得られる有用な情報はなく、人狼側のみが判断材料を手にすることができます。
個人的に人狼ゲームにおいて重要なのは「人狼を誰か当てる推理力」ではなく「民衆を納得させられる説得力」だと思っています。
しかし、それは推理をするために必要な情報を蔑ろにしていい、ということではありません。
そもそも護衛先がどこであるかというのは市民に取っては不必要な情報です。まさに利敵行為と言えるでしょう。
村側としては護衛先について全く触れないというのがベストです、敵にのみ必要な情報をわざわざ提示してやる理由なんてどこにもありません。
初日ベグなし2-1の場合
多くの村で初日ベグは禁止されていて、なおかつ狂人は占いに出ることが多いので2-1盤面になるパターンが非常に多いと思います。
占い2の内訳が真狼だとしても、市民としてはそのようなレアケを追うなんてのはもし当たってたとしても確かな証拠がない以上負け筋濃厚です。
ここで真の占いを狼が噛んでしまうと初日ベグなしを逆手に取られて残った占いが真確定してしまうので、初日から占いを噛む狼はまず少ないでしょう。
なのでこのパターンの盤面の時には霊能護衛が鉄板であり、変態護衛をして霊能を抜かれでもしたら戦犯確定です。
よって護衛誘導なんてのは不必要でありますし、騎士が変態護衛を仕掛ける場合にしても霊能が抜かれる可能性が増えるので口に出すべきではありません。
何も言わなければ狼は初日に霊能を噛みに行くなんてことはせず、騎士目をヤマカンであろうと決めてそこを噛みに行きたいというのが心情です。
しかし誰かが護衛誘導をして「2-1で初日ベグなしなんだから霊能を絶対守れ」なんて言うと騎士として「ここまで霊能護衛を押されると狼も噛みに来れないだろう」と言う誘導された根拠により鉄板護衛を外しやすくなり、それは少し人狼ゲームに慣れた狼であれば簡単に見破れる感情であります。
無論、騎士側も慣れた人間であればそこまでも全て理解出来ますが、それでも人狼側に判断するための材料を多く与えてしまうため、メリットはありません。
初日ベグなし2-2の場合
個人的にですが、2-2盤面が村だった場合に1番やりにくいです。
この盤面になった場合に取る選択としてはライン戦を始めるか霊ロラをするかの2択。
とか言われたりもしますが、実際にライン戦が行われることなんて非常に稀なことであり、基本的に霊ロラすることが多いです。
そうなった場合、霊能は何もせずとも勝手に退場してくれるのでわざわざ噛みに行く必要はありません。
となると初日ベグなしだと考慮するのであれば、騎士としてはCOのない人間の中から狼目線で騎士目の高そうな人間を護衛するべきです。可能性は低いけどGJ狙いですね。
人狼陣営として霊能は噛むメリットがありませんし、占いを噛むと確定噛みが明らかなので2-1の時とは違い、役職を狙うことによって得られるものが狼としてはないので、騎士はGJ狙いが1番の最善だと思われます。
占い-霊能の内訳が真狼-真狂だった場合に初日に真占いを噛むと、占いを確実に葬れて霊能は50%の確率で葬ることが出来ます。
もし初日に確定噛みをした場合は占いの内訳は真狼だと確定しますが、霊能の内訳も真狼の可能性を村側は捨てきることが出来ないので残った霊能は真偽に関わらず少なくともRPP前には吊られるでしょう。
閑話休題、話がずれました。
この盤面において護衛誘導が招く現象としては、騎士目の人間を炙り出すというものでございます。
これを逆手に取って騎士目をミスリードするということもありですが、その場合は市民サイドの他の人間も騙すことになるのであまり勧められたものではありません。
やはり、護衛先には一切触れないで情報を相手に晒さないという戦略が賢いと言えるでしょうね。
まとめ:結局、どっちの方がいいのか
以上を読んでいただければ分かると思いますが、初心者がいる場合は万が一をケアするために誘導するというのはありです。
しかし、ある程度慣れた人たちだけでやる人狼の際にはデメリットばかりです。
よって、普通に人狼をするのであれば護衛誘導によって得られるメリットはなく、利敵行為に他ならないのでするべきではないです。